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建築学科ごっこ

建築学科ごっこを通じて見つけた、模型作成、図面加工、時間管理などやりかたまとめ

時間もスキルもないけどそれでもIllustratorでそれっぽく建築プレゼンをレイアウトする方法

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(旧記事の内容は下記に移転しました)

houman-arch.hatenablog.com

 

 

 

僕たちは、別に「コンペにかならず通るプレゼンスキル」がほしいわけでも「あらゆるグラフィックデザインをこなせるグラフィックデザイナー」になりたいわけでもない。

 

そりゃあ、そういうデザインスキルがあればあるに越したことはないけど、でも僕達が求めているのは、せっかく精魂込めて作った図面やパースが、提出直前にやっつけで作り上げたダサいレイアウトによってその価値を減衰させていく現状を変える方法だ。 

 

 

そしてそのために効果的なのは、Illustratorのスキルを上げることやグラフィックデザインの知識を付けることやいろんなコンペのプレゼンシートを見て勉強することだけではない。

 

 

ちょっとした考え方の違いや手順の違いで劇的にプレゼンボードづくりが楽になることがあるというのがこの記事のテーマである。

 

 

 

 

 

まず、大抵の人はプレゼンボードの作成を提出直前に行っている。

 

その理由としては、たぶん模型や図面の作成を行ってからでないと、プレゼンボードを作れないという思い込みがあるのではないか。

 

しかし、プロの雑誌編集やグラフィックデザイナーの作業を見ていると、レイアウトを決めてから配置する画像素材や文章を集めることは特殊なことでもなんでもない。

 

より厳密に言うと、

  1. その記事やデザインを通して相手に伝えたいこと、伝えなければいけないことの整理・優先順位の確認
  2. 言いたいことを最もわかりやすく、正確に、魅力的に伝えられるような表現手法を考え、其の全体像を描く
  3. 必要な画像素材や文章、データを集めて加工し、当初描いていたイメージに合うよう加工する

 

という流れである。

 

 

もちろん予めクライアントさんから「この写真を使ってください」という指示があったり、インタビューしてみたら当初の予想と全く違う内容になりそうなので慌てて記事内容を変更したりということも頻繁に起こる。

 だから必ずしも当初予定通りに記事が作成されるわけではない。

 

が、素材が集まってないうちからどこに何を配置し、どのような記事にするかという方針を立てることも常識的なデザイン手法であり、必ずしも素材が集まってから出ないとデザインが出来ないのかというと、そういうわけではない事をまずは把握してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、「図面作成→レイアウト」と「レイアウト→図面作成」、どちらの順序で作るのが望ましいのか?

 

実は圧倒的にプレゼンボードのレイアウトを決めてから図面やパースを作る手順がおすすめなのだ。

特にグラフィックデザインに関して自信がない人ほどレイアウトを優先するべきだとさえ言える。

 

 

というのも、図面や模型写真やパースが完成してからそれをレイアウトすると以下のような不都合が生じることがあるからだ。

  • 図面や模型写真、パース、スケッチ、ダイアグラムのテイストや色合いが揃っておらず、紙面全体が連携の取れていないチグハグな印象となってしまう。
  • 平面図・立面図・断面図・配置図は縮尺や大きさ、縦横比を変えることが出来ず、拡大縮小もトリミングも大きく制限されるため、レイアウト上の自由度が低く紙面内に適切に配置することが難しい。
  • 模型写真の撮影やパースのレンダリングを無計画に行ったため、いざレイアウトしてみると求める構図やアングルの画像が無く、結局改めて写真とパースを撮り直す事となる。
  • 「せっかく作ったダイアグラム・スケッチ・模型写真だからなんとかして使いたい」という心理が邪魔してくるため、無理にレイアウトに組み込んでしまい、プレゼンボード上の主張が散漫になる。
  • 逆に紙面上にスペースが余ってしまい、かといっていまから新しいスケッチやダイアグラムを作る体力もやる気もない。頑張って作っても、もともと必要のない要素を無理に作成したため、何を伝えたいのかわからないチグハグなプレゼンボードになりがち。
  • そもそもレイアウトを最後に回したせいで提出直前に寝不足の頭でレイアウトすることとなり、焦りと疲れからまともにレイアウトを考えることが出来ない。

 

 

あなたも一つくらい経験があるのではないだろうか?

 

これらは全て、その画像のプレゼンボード上での役割は何か、どのような使われ方をするのかを考えずにダイアグラムや図面を作ることに起因している。

 

何をどう伝えたいかが最も大事グラフィックデザインにおいて、手持ちの図面とイラストと写真ををどうすればうまく納められるかばかり考えながらレイアウトすれば破綻するのは火を見るより明らかだろう。

 

 

 

逆に言えば、先にレイアウトを作る作業というのは、自分の設計で一番伝えたいことは何か、そしてそれを伝えるためにはどのような図面やグラフィックがあればいいかを整理する作業にほかならない。

 

 

何のためにその図面を作るのか、何を伝えたくてそのパースを作成するのか、どのような工夫を見るものに伝えたくてそのダイアグラムを用意するのか、これらを今一度整理してから作成に取り掛かるためにも、初心者のうちはプレゼンボードのレイアウトから行うべきだと考えている。

 

 

 

 

百戦錬磨のグラフィックデザイナーでもない限り、レイアウトの都合を考えずに作った要素を限られた紙面に納めた上に、相手に伝えたい内容をしっかりと伝えられて、しかも美しくまとめ上げるということは無理な話である。

 

 要するに「作ったプレゼンボードで図面やパースを上手に納める」という発想が土台間違っているのである。

  

 

 

 

レイアウトのスピードを上げる具体的な方法

 

0.Illustratorスキルの向上

まず、Illustratorモックアップを素早く作る技術を身につける。

モックアップとは下の図のようなデザインの仮組みのことである。

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まだ文章や画像が決まっていない段階で手早くレイアウトを決定する技術毎週の草案準備の効率化すべてのページのレイアウトを統一するポートフォリオ作成に於いても重要なスキルである。

 

そもそもの作業スピードが遅くては生産効率が上がるはずがない。

これについては以下の記事で「パスのオフセット・段組設定・内側描写」という3つの機能を紹介している。

本記事のレイアウト論と相性の良い三機能であるので是非マスターしてほしい。

houman-arch.hatenablog.com

 

 

1.敷地解析図・ダイアグラム・スケッチは課題草案中に完成させる

では実際に課題が始まったとして、プレゼンボードづくりは何から始めればいいのだろうか?

 

まず出来るのは、設計敷地の交通や産業・歴史を紹介する敷地図・周辺解析図や建築の特徴を単純化した伝えるダイアグラム、人々のアクテビティを表現するようなスケッチ等の設計が完成していなくても仕上げられるタイプの素材を作るべきである。

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こういった細かい素材については課題中盤~終盤にかけての草案やミーティングで作成してしまう。

言い換えれば、草案で教授にプレゼンする際に使った模型やスケッチをそのまま流用することで効率化を図るのである。

 

当然そのためには草案準備の負担が跳ね上がる

たしかに毎週の草案会の度にダイアグラムを作るのは大変だが、提出直前の寝不足の頭で時間に追われながら作るのはもっと辛い。

 

提出間際の徹夜を回避するためにも、草案準備の段階でスケッチや敷地図は完成させてしまうのが良い。

(但し、色味やテクスチャは後から変えられるように工夫しておく。)

 

 

2.設計のマスタープランが大まかに決定した時点でレイアウトに取り掛かる。

そのようにして草案を進めていくと、いずれ大まかな建物の形が決まり、具体的な寸法を意識して設計のマスタープランを作り上げる時期がやってくる。

 

実際に建物の図面を引く前に、スケッチブックや方眼紙にエスキスするタイミングがあるはずだ。

プレゼンボードのレイアウトを行うのは、そのタイミング、即ち建物の幅・奥行き・高さが決定した段階である。

(もちろん例外はあるし例外はあるけど、大体の目安としてはそのくらい)

 

 

 

逆に言えば、流石に平面図や立面図の大きさが未知数のときにはレイアウトを決められないということである。

 

前述のとおり、建築学科のグラフィックデザインの急所は比率や大きさを自由に変えられない図面の存在である。

だから、プレゼンボードの配置の際は大きさを変えられない図面を優先的に配置し、そのスキマにダイアグラムやパースを埋めていくとスムーズに決まりやすい。

 

 

図面や模型写真の構図に引っ張られず、純粋なレイアウト作業に専念できるため、グラフィックデザインが苦手な人間でも比較的スムーズにレイアウトできるはずだ。

くれぐれも重要なのは、手持ちの画像をどう納めるか?ではなく、プレゼンに必要な画像は何かを整理してから図面や写真を用意するという順番である。

 

 

 

3.作ったモックアップ内に完成した模型写真や図面を当てはめていく

こうして出来上がったプレゼンボードのモックアップに完成したダイアグラムや図面・建築パースを一つ一つ流し込んでいく。

いわば、このプレゼンボードをそのままToDoリストとして扱うということである。

 

ちなみに、完成させるのは可能な限り紙面内を大きく占める要素からつくるほうが好ましい。

目立つものから優先的に作るべきであるし、またそのほうが、全体の調子を見ながら少しずつプレゼンボードが完成していくため、ボード全体の雰囲気を調整しやすい

 

 

 

 

 

というわけで、図面やパースをレイアウトするという陥穽を克服し、レイアウトしてから図面やパースを作るという発想の転換が今回の記事の主題でした。

 

 

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