読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

放漫なる建築学科ごっこ

建築学科ごっこを通じて見つけた、建築学科で立ち振る舞うライフハックや仕事術

時間もスキルもないけどそれでもIllustratorでそれっぽく建築プレゼンをレイアウトする方法

建築学科 建築図面 プレゼン Illustrator ポートフォリオ

f:id:houman-arch:20160816105031j:plain

本稿はそのタイトルの通り、建築プレゼンに向けたIllustrator術だ。

具体的には、建築学科生を対象とした、必要最小限の手間とスキルで、必要最低限の見やすさを確保するためのグラフィックデザイン術である。

イメージボードやプレゼンシート、あるいは簡易的ではあるがポートフォリオ作成などを想定している。

 

 

あなたがこのページを開いたからには、恐らくあなたは

 

  • 「自分には建築を表現するデザインスキルがない。」
  • 「いつも課題提出間際に勢いでレイアウトするせいで雑なプレゼンボードになってしまう。」
  • グラフィックデザインの勉強も少ししてきたけど、自分にはセンスが無いかもしれない」
  • でも何とかしてみやすいプレゼンボードを作りたい

 

という心理状態だと推察する。

なにせ僕自身も今現在同じ悩みを抱えている同志である。

 

 

もっとも、ただでさえ学ぶことの多い建築学科生が、この上グラフィックデザインスキルアップや勉強にまで時間と体力を奪われるという訳にはとてもいかない。

あなただって、何もプロのデザイナーを目指しているわけではないのだ。

単に、せっかく精魂込めて作った図面やパースが、やっつけで作り上げたダサいレイアウトによってその価値を減衰させていく現状を変えたいだけだと思う。

 

要するに、見苦しくない程度のものができればそれでいいのだ。

 

 

 

というわけで、以下Illustratorによって図面やパースやコンセプト文をそれっぽくレイアウトする方法を解説する。

 

Illustratorの技術云々以前のレイアウトのコツについてはこちら▼

建築プレゼンボードレイアウトの流れと型 -テレビショッピングに学ぶプレゼンの様式美- - 放漫学生の建築学科ごっこ

 

 

いちおう、なるべく図版を豊富に利用し、Illustratorに不慣れな読者にもわかりやすい記事を心がけたつもりである。

が、さすがにPCの基本スキルである「上書き保存」や「コピー&ペースト」、及びIllustratorの基本である「文字の入力」や「図形描画ツールで長方形を描き、色をつける」くらいは習得していると仮定して話を進めているのでご了承頂きたい。

 

ここではまずIllustratorでのイメージボードの作り方を解説しようと思う。

 

イメージボードとは課題初期の草案段階での発表や、共同設計をする際スタッフ同士でイメージを共有させるために作る画像の寄せ集めだ。

ここでは、課題が始まって第一回目の草案会で、住宅のインテリアのイメージを教授に説明するための画像の寄せ集めをイメージしてもらえれば差し支えない。

 

まず、そのイメージボードの作成過程を通じて、Illustratorでのレイアウトを考える。

応用すればプレゼンボードやポートフォリオにも十分威力を発揮できる。

 

 

第一部

プレゼンシートの文字や図版を見た目に美しく効率的にレイアウトするために、グラフィックデザインで最もよく使われる「グリッドレイアウト」を採用する。

これは予めページを複数に分割しておき、その分割したグリッドに沿って文字や図版を配置する。

初心者でも(ムダにこだわって複雑なことをしなければ)それっぽく見せることが出来るはずだ。

 

 

STEP1 アートボードをプレゼンシートのサイズに設定する。

  1. Illustratorを起動し、[新規ドキュメント]を作成する。
    [プロファイル]は[プリント]に、[サイズ]を[A4]に、[裁ち落とし]を各[3mm]に設定する。もし、複数枚のイメージボードを作成する場合は[アートボードの数]を任意の枚数に調整する。

    f:id:houman-arch:20160816103337j:plain

  2. .「A4縦」のアートボードが作成される。

    f:id:houman-arch:20160816103404j:plain

STEP2 グリッドを作成する。

ここでは通常のグリッド作りではなく、よりInDesignに近いレイアウト作成方法を紹介する。グラフィックデザイン初心者にとってはこの方法のほうが、作りやすいと判断した。

  1. 背景用にアートボードと同じ大きさの四角形(ここではA4サイズ210mm,297mm)を描き、アートボードにぴったり重ねる。
  2. で作成した四角を選択したまま[オブジェクト]メニューの[パス]→[パスのオフセット]をクリック。

    f:id:houman-arch:20160816103855j:plain

  3. パスのオフセットのダイアログが出るので、パスのオフセット[10mm]を設定。

    f:id:houman-arch:20160816103923j:plain

    プレビューにチェックを入れ編集状況を確認した後、[OK]をクリック。1cm分内側にオフセットした四角形が現れる。

  4. 3.で作成された四角を選択したまま[オブジェクト]メニューの[パス]→[段組設定]をクリック。

    f:id:houman-arch:20160816104007j:plain

  5. 段組設定のダイアログが開く。[行]の[段数]に[6]、[列]の[段数]に[3]、それぞれの[間隔]に「5mm」を入力する。

    f:id:houman-arch:20160816104040j:plain

    [プレビュー]にチェックを入れ編集状況を確認し[OK]をクリックする。

  6. これで紙面内に3×6のグリッドが生まれた。見やすくするためにそれぞれのグリッドに適当な色をつける。

    f:id:houman-arch:20160816104117j:plain
    グリッドがグループ化されている場合、全て選択して[ctrl]+[Shift]+[G]でグループ化解除する。

 

STEP3グリッドを合体させる

  1. 各グリッドを合体させる。合体させたい四角(ここでは左上の4つ)のみをすべて選択したまま、再び[オブジェクト]メニューから[パス]→[段組設定]をクリックする。

    段組設定のダイアログで行と列両方の[段数]を[1]に設定し[OK]をクリック。

    f:id:houman-arch:20160816104211j:plain

  2. 1.を繰り返し、グリッドを任意の形に合体させてレイアウトを作成する。

    f:id:houman-arch:20160816104240j:plain

STEP4画像を配置する。

ここでは、画像を開いてから図形でクリッピングマスクするよくあるやり方ではなく、すでにレイアウトしたグリッド内に画像を配置する手法を取る。

なお、画像はここからお借りした。

  1. 配置したい四角をクリックして選択する。ツールパネルから[内側描画]モードに切り替える。([Shiftキー]+[D]をダブルクリックでも可)

    f:id:houman-arch:20160816104509j:plain
    図のように、点線で長方形の四隅が囲まれればOK

  2. [ファイル]メニューから[配置]を使って画像を選び、クリック、もしくはドラッグで画像を配置する。通常のクリッピングマスクと同様の方法で、グリッドに合わせて大きさや位置を調節する。

    f:id:houman-arch:20160816104605j:plain

  3. 2.の方法で配置したい画像をすべてレイアウトする。

    f:id:houman-arch:20160816104635j:plain

 

STEP5タイトルとコンセプト文を配置する

  1. ツールバーから[文字ツール]を選択。アートボード上の任意の場所をクリックし、タイトルを入力する。また、フォント、フォントサイズ、段落設定(中央揃えとか)、カーニング処理を行う。

    f:id:houman-arch:20160816104835j:plain

  2. [整列パネル]から[水平方向中央に整列]と[垂直方向中央に整列]をクリックし、長方形の真ん中にタイトルを持ってくる。

    f:id:houman-arch:20160816104853j:plain

  3. タイトルの後ろに配置された四角形の色や線を変更する。

  4. ツールバーから[文字ツール]を選択。コンセプト文を配置したい四角形の左上の角にポインタを合わせるとポインタのカタチが変わるので、クリックによって長方形をテキストエリアに変え、文章を流し込む。

    f:id:houman-arch:20160816104954j:plain

  5. 長文になる場合は、選択ツールでテキストエリア右下の赤い十字をクリックし、そのまま隣の長方形のパス上をクリックすることで、次の四角とテキストエリアを連結できる。

    f:id:houman-arch:20160816105016j:plain


    フォント、フォントサイズ、行送り、カーニングを適宜調整して完成。

    f:id:houman-arch:20160816105031j:plain
    以上で完成である。

プレゼンボードやポートフォリオでも同様の操作で画面を整理すれば、初心者なりに見栄えのするグラフィックになるのではないだろうか。

 

f:id:houman-arch:20160820160136j:plain

 

 

実はここで紹介した「段組設定」という技法はIllustratorの教本でもあまり広く一般な方法ではないと思う。

紙面をグリッドシステムで分割しそれにそってオブジェクトを配置する際、普通は以下の2手法が採用されることが多い。

  • メニューから[編集]→[環境設定]→[ガイド・グリッド]を選択する。ダイアログで数値を設定し、[OK]をクリック。画面内にグリッドが表示される。
  • メニューから[表示]→[定規]→「定規を表示」を選択する。上端と左端にあらわれた定規を元に、ガイドを作成する。

 

それでもなお、僕はこの段組設定機能を愛用している。

 

この記事に目を通し、実際にレイアウトすれば分かることだけれども、段組設定は「画面内の大きな枠を細かく分割し小分けにされた枠内に画像や文章を流し込む」という発想の元に作成されている。

 

建築学科のグラフィックデザインでは、平断面図やダイアグラムなど単純な長方形で無い物を配置することも多いため、グリッドシステムで組むには相応の工夫というものが必要となってくるだろう。

 

したがって模型写真・パース・配置図・平面図・断面図・コンセプト文・ダイアグラムと多様で、しかも大きさがバラバラな諸要素を効率的に配置するには、ガイドやグリッド機能によって「配置してから揃えていく」よりも段組設定の「揃っている枠の中に詰めていく」イメージで作ったほうがまとまりやすさが格段に違う。

 

ぜひ、ポートフォリオやプレゼンボード作成の際に、活用して欲しい。

 

関連記事

 

平面図をIllustratorで見やすく美しく仕上げる方法▼

1回生こそポートフォリオを作るべきである理由▼

houman-arch.hatenablog.com

そもそもどの情報を紙面のどこに配置すればいいの!?▼

houman-arch.hatenablog.com

 

 

 

▼このワンクリックが大きなモチベーションです。何卒。