建築学科ごっこ

建築学科ごっこを通じて見つけた、模型作成、図面加工、時間管理などやりかたまとめ

建築プレゼンボードレイアウトの流れと型 -テレビショッピングに学ぶプレゼンの様式美-

建築のプレゼンボードに限らず、他者にプレゼンテーションするには基本となる型がある。

それどころか、紙面上のどこに図面を配置し、どこに模型写真を載せ、どのように視線の流れを作るかという大枠は、かなりパターン化されている。

 

  • プレゼンの目的は、解決策の提示である
  • 解決策の提示には〈結論となる解決策〉→〈現状解析と課題の明示〉→〈解決策の再説明〉という3STEPが最も王道である。
  • プレゼンボードのレイアウトの基本もまた、この3STEPが応用される

 

以上が本文の結論である。

無論、これはあくまでパターンの一例にすぎない。

 

全てのコンペ入賞作がこの法則に従っているわけではない。

このテンプレートに添って作成すればより良いプレゼンになる保証すら無い。

 

あいにく僕はデザインやプレゼンの専門家でも無いのでそこまで普遍性と絶対性のある型は提供できない。

あなたの設計内容や、プレゼン相手によっては全く当てはまらない可能性があるので、適宜応用してほしい。

 

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手描きで平面パースを描く方法

 

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多くの教授は草案に手ぶらで来る学生に憤りを感じている

 

 

講義準備やゼミの打ち合わせ、大学学務課への提出物に論文の執筆その他山積する業務に追われる中、ただでさえ放漫な学生連中のおもりに業を煮やしている状況で、最低限の義務すら果たしてこない学生が憎悪の対象となっても仕方がない

 

 

かと言って学生が忙しいのもまた事実である。

人生の夏休みと言われる大学生だが、なにせ忙しいことで有名な建築学科生なのだから、教授の1/100程度には繁忙を極めていると言っても過言ではない。

それでも建築学科生は迫りくる草案地獄の中、次々とプレゼン資料を作り続ける事を強いられている。

 

 

 

一方で、短い時間の(多くの場合一週間)中で作成できる提出物などたかが知れている。

できれば、簡素な平面図・手描きスケッチのみで意図を伝えたいというのが本音だろう。

 

 

 

そこで、手描きで平面パースを描く能力が求められる。

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卒業制作で、後輩があなたに望んでいるたった一つのマネジメント

結論から述べよう。

 

  • 後輩へ自分の設計をプレゼンテーションする。
  • 後輩に自分の過去作品をプレゼンテーションさせる。

 

以上の卒業設計における効能を紹介するのがこのエントリーの趣旨だ。

 

 

 

日々怠惰で放漫な僕を置き去りに、2016年は11月も終わりに差し掛かった。

4回生の各位におかれては、卒業設計も佳境に入り、後輩を集めての模型製作にかかる時期だと思う。

 

卒業制作は多くの学生にとって、初となる共同設計作業である。

 

しかし、僕達はただの一度として複数の人員で一つのものを作るノウハウや作法を体系的に学んでいない。

 

一般にこのノウハウをマネジメントと表現する。

もしドラで話題となったドラッカーの『マネジメント ~基本と原則』が有名)

 

 

そこで今回、マネジメントの基本思想を元にした*1卒業設計で後輩に嫌われない共同作業のあり方を考察する。 

 

 

 

今年の冬もまた、先輩も後輩も等しく苦しみ合う、負の共同制作が全国各地の製図室で繰り広げられようとしている。

 

より健康的で、文化的な卒業設計の一助になれば幸いである。

*1:異分野の知見を、自分の業界でさも自らの発明の如く吹聴する事は、無能が有能に擬態する常套手段である。

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質のいい作品が出来たからポートフォリオを作るのではなく、ポートフォリオを作るから作品の質が上がる

この記事を読むあなたが建築学科(もしくはそれに類する団体)に所属する以上、曲がりなりにも創作活動で活躍することを願うクリエイター志望だろう。

であるならば、自分の生み出してきた作品達の管理は義務を通り越して存在意義である。(少なくとも赤の他人にとって、クリエイターの存在価値はクリエイターの総作品価値とイコールである。)

 

間違っても課題終了の開放感に浮かれて、自分の作った作品を放置するような姿勢は取ってはならない。

 

 

というわけで今回はポートフォリオ(作品集)についてである。

テーマは過去の自分の作品をまとめるという行為が、果たしてどのような効果をもたらすのかである。

ポートフォリオの提出が求められる就活生や留学志望者だけでなく、1回生や2回生もぜひ目を通して欲しい。

 

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CADデータをIllustratorで見やすく加工する方法 「3秒で伝わる建築図面」を目指して ~着彩編~

本記事は

「3秒で伝わる建築図面」を目指して。Illustratorによる図面加工術 ~下準備編~ - 放漫学生の建築学科ごっこ

の続編記事である。

未読の方は、まずこちらから閲覧を推奨する。

 

 

 

 

 前記事ではCADの図面をIllustratorに取り込む方法を紹介した。

ここからはその図面を着彩し、より設計の意図を明白にする方法を考察する。

 

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まずは、上図のように図面を単純に塗り分ける方法を解説し、その後立体感やノイズを入れることで、より魅力的な図面になる応用法を紹介する。

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忙しい建築学科生に足りないのは「時間配分」より「努力配分」の感覚なのではなかろうか

 

 

クリエイターの努力というものは4パターンあり、栄養素と同じくそのバランスが肝要なのだけれども、そこを行くと建築学科生というのはクリエイティブを自称しておきながら自らの「努力の偏食」に全く無自覚なようだ。

 

建築学科生の健康事情は僕がここに語るまでもない惨憺たる事情ではあるけれども、どうかするとこの歪な頑張りの配分によって、建築学科生のエネルギーがますます徒に消耗されている気がしてならない。

 

端的にいうと、建築学科全体において努力の仕方がおかしいのである。

 

そんなバカな、俺はこんなに毎日課題に追われて必死に図面や模型と向き合っているのに!

と早合点してもらっては困る。

 

僕が僕自身(及び身の回りの友人・先輩)から感じ取ったのは、建築学科生の「努力不足」ではない。

 

あくまで「努力バランスの歪さ」である。

 

 

そして、その偏りこそ、徹夜しても徹夜しても満足の行く提出物が出来上がらない現象の最大の理由だと考えている。

 

この考えが、僕の身の回りにしか当てはまらない杞憂であることを祈りつつ、その処方箋をここに記す。

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CADデータをIllustratorで見やすく加工する方法 「3秒で伝わる建築図面」を目指して ~下準備編~

建築家の引く図面は、エンジニアとしての「設計図」であり、商売人としての「契約書」であり、ビジネスマンとしての「企画書」であり、デザイナーとしての「グラフィック」でもある。

 

同じ建物を表した図面でも、あなたがどの立場で書いたものなのか、そして誰が何の目的で読む図面なのか、によって図面の見方書き方の作法は異なる。

 

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本サイトは建築学科生のためのサイトであり、けして建築家のためのサイトではない。

だから厳密な数値や詳細な納まりの具合よりも、その空間に飛び込んで得られる体験や感覚を伝える図面を重視する。

前述の例で言えば「設計図」「契約書」としての性質よりも「企画書」「グラフィック」としての性質が求めれれると考えている。 

 

そのためにはCADによる「線」の図面表現に加え、Illustratorによる「面」の表現が重要になってくる。

線のみで表現された白黒の図面より、壁を塗りつぶしテクスチャを張り、影を加えた図面のほうが、見やすく美しく、何よりひと目でより多くの情報を伝達できる。

 

今回は広瀬鎌二による不朽の名作住宅“SH-1”の図面を具体例に、CADで書いた図面をIllustratorで加工する方法を3記事に分けて紹介する。

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