建築学科ごっこ

建築学科ごっこを通じて見つけた、模型作成、図面加工、時間管理などやりかたまとめ

卒業制作で、後輩があなたに望んでいるたった一つのマネジメント

結論から述べよう。

 

  • 後輩へ自分の設計をプレゼンテーションする。
  • 後輩に自分の過去作品をプレゼンテーションさせる。

 

以上の卒業設計における効能を紹介するのがこのエントリーの趣旨だ。

 

 

 

日々怠惰で放漫な僕を置き去りに、2016年は11月も終わりに差し掛かった。

4回生の各位におかれては、卒業設計も佳境に入り、後輩を集めての模型製作にかかる時期だと思う。

 

卒業制作は多くの学生にとって、初となる共同設計作業である。

 

しかし、僕達はただの一度として複数の人員で一つのものを作るノウハウや作法を体系的に学んでいない。

 

一般にこのノウハウをマネジメントと表現する。

もしドラで話題となったドラッカーの『マネジメント ~基本と原則』が有名)

 

 

そこで今回、マネジメントの基本思想を元にした*1卒業設計で後輩に嫌われない共同作業のあり方を考察する。 

 

 

 

今年の冬もまた、先輩も後輩も等しく苦しみ合う、負の共同制作が全国各地の製図室で繰り広げられようとしている。

 

より健康的で、文化的な卒業設計の一助になれば幸いである。

*1:異分野の知見を、自分の業界でさも自らの発明の如く吹聴する事は、無能が有能に擬態する常套手段である。

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質のいい作品が出来たからポートフォリオを作るのではなく、ポートフォリオを作るから作品の質が上がる

この記事を読むあなたが建築学科(もしくはそれに類する団体)に所属する以上、曲がりなりにも創作活動で活躍することを願うクリエイター志望だろう。

であるならば、自分の生み出してきた作品達の管理は義務を通り越して存在意義である。(少なくとも赤の他人にとって、クリエイターの存在価値はクリエイターの総作品価値とイコールである。)

 

間違っても課題終了の開放感に浮かれて、自分の作った作品を放置するような姿勢は取ってはならない。

 

 

というわけで今回はポートフォリオ(作品集)についてである。

テーマは過去の自分の作品をまとめるという行為が、果たしてどのような効果をもたらすのかである。

ポートフォリオの提出が求められる就活生や留学志望者だけでなく、1回生や2回生もぜひ目を通して欲しい。

 

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CADデータをIllustratorで見やすく加工する方法 「3秒で伝わる建築図面」を目指して ~着彩編~

本記事は

「3秒で伝わる建築図面」を目指して。Illustratorによる図面加工術 ~下準備編~ - 放漫学生の建築学科ごっこ

の続編記事である。

未読の方は、まずこちらから閲覧を推奨する。

 

 

 

 

 前記事ではCADの図面をIllustratorに取り込む方法を紹介した。

ここからはその図面を着彩し、より設計の意図を明白にする方法を考察する。

 

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まずは、上図のように図面を単純に塗り分ける方法を解説し、その後立体感やノイズを入れることで、より魅力的な図面になる応用法を紹介する。

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忙しい建築学科生に足りないのは「時間配分」より「努力配分」の感覚なのではなかろうか

 

 

クリエイターの努力というものは4パターンあり、栄養素と同じくそのバランスが肝要なのだけれども、そこを行くと建築学科生というのはクリエイティブを自称しておきながら自らの「努力の偏食」に全く無自覚なようだ。

 

建築学科生の健康事情は僕がここに語るまでもない惨憺たる事情ではあるけれども、どうかするとこの歪な頑張りの配分によって、建築学科生のエネルギーがますます徒に消耗されている気がしてならない。

 

端的にいうと、建築学科全体において努力の仕方がおかしいのである。

 

そんなバカな、俺はこんなに毎日課題に追われて必死に図面や模型と向き合っているのに!

と早合点してもらっては困る。

 

僕が僕自身(及び身の回りの友人・先輩)から感じ取ったのは、建築学科生の「努力不足」ではない。

 

あくまで「努力バランスの歪さ」である。

 

 

そして、その偏りこそ、徹夜しても徹夜しても満足の行く提出物が出来上がらない現象の最大の理由だと考えている。

 

この考えが、僕の身の回りにしか当てはまらない杞憂であることを祈りつつ、その処方箋をここに記す。

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CADデータをIllustratorで見やすく加工する方法 「3秒で伝わる建築図面」を目指して ~下準備編~

建築家の引く図面は、エンジニアとしての「設計図」であり、商売人としての「契約書」であり、ビジネスマンとしての「企画書」であり、デザイナーとしての「グラフィック」でもある。

 

同じ建物を表した図面でも、あなたがどの立場で書いたものなのか、そして誰が何の目的で読む図面なのか、によって図面の見方書き方の作法は異なる。

 

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本サイトは建築学科生のためのサイトであり、けして建築家のためのサイトではない。

だから厳密な数値や詳細な納まりの具合よりも、その空間に飛び込んで得られる体験や感覚を伝える図面を重視する。

前述の例で言えば「設計図」「契約書」としての性質よりも「企画書」「グラフィック」としての性質が求めれれると考えている。 

 

そのためにはCADによる「線」の図面表現に加え、Illustratorによる「面」の表現が重要になってくる。

線のみで表現された白黒の図面より、壁を塗りつぶしテクスチャを張り、影を加えた図面のほうが、見やすく美しく、何よりひと目でより多くの情報を伝達できる。

 

今回は広瀬鎌二による不朽の名作住宅“SH-1”の図面を具体例に、CADで書いた図面をIllustratorで加工する方法を3記事に分けて紹介する。

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時間もスキルもないけどそれでもIllustratorでそれっぽく建築プレゼンをレイアウトする方法

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時間がない→「絶対伝えなければいけない最小限のポイント」から優先的にデザインする

スキルがない→その伝えたいポイントを手軽に表現するデザイン技術を学ぶ

それっぽくレイアウトする→図面作成や模型作りより先にプレボのレイアウトを決める

 

というのが、デザイン初心者がプレゼンボードをレイアウトするときの基本戦略である。

 

 

言い換えればプレゼンボードのレイアウトに手間取っている人というのは

 

  • 伝えなければいけないポイントを明確にしないまま、とりあえず作りやすそうな図面やグラフィックから手当たり次第に作成する。
  • 少ない手数で大きな効果を上げるスキルを知らないので、時間をかけてデザインしたわりに(というか時間をかければ掛けるほど)煩雑な印象のプレゼンボードになる
  • しかもすべての図面やパースやダイアグラムを、限られた紙面に詰め込もうとし、結果主張が散漫でかつレイアウトが破綻してしまっている。

 

という傾向が見られるといってもいい。

 

 

幼稚な例えで恐縮だが、お弁当のおかずを作る事をイメージしてみてほしい。

短時間で美味しいお弁当を作ろうと考えた場合、

 

  1. まずは弁当箱を用意し、完成形を思い描く
  2. 次に作りたいおかずをPICK UPし、主菜と副菜を決定する
  3. 最後に、手軽に作れるが美味しく栄養も豊富な料理を作る(もしくはそのためのレシピや技術を学ぶ)

 

という流れで弁当を作るはずだ。

 

間違ってもとりあえず食べたいおかずを大量に作ってから、そのすべてを小さなお弁当箱に詰めようと努力するような無計画なことはしないはずである。

 

 

建築プレゼンも同じである。

  1. まずレイアウトから始める
  2. 載せる情報に優先順位をつけ、とにかく1枚目を完成させる
  3. そのために最短の時間で最高の効果を上げるパースや図面の加工スキルを身につける

上記3点にさえ気をつけていれば、短時間でプレゼンシートを作ったとしても、無秩序で何が言いたいか判らない、ナンセンスなプレゼンボードを卒業できるはずである。

 

関連記事▼

houman-arch.hatenablog.com

 

目次

  • 1.まずレイアウトから始めよ!
    • 初心者がプレゼンシートデザインでやってはいけないこと
    • 「レイアウトから始めるデザイン」と「素材から始めるデザイン」
    • レイアウトから決めると万事がうまくいく
  • 2.とにかく1枚目を完成させること!
    • 載せる情報を整理し、優先順位を着ける
      • 設計タイトル
      • 概要文
      • キービジュアル
      • 敷地情報
      • 造形コンセプト
    • まず1枚目を完成させよ!
  • 3.IllustratorPhotoshopのスキルを身につける
  • まとめ

 

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CAD入門者へのオススメは果たしてJw_cadなのか?

先日pondamiya様から以下の様なコメントを1回生のうちからCADによる製図を学んだほうがいい理由を3つ - 放漫建築学科生の備忘録にて頂いきました。

 

いつも更新楽しみにしております。
たぶん個人的な好みだと思うんですが、あまりに多くのCADソフトが出回っており、どれから手をつけていいかよくわかりません。

当方、建築学を専攻して間もないものなのですが、この夏休みに少しCADに触れようと考えております。
放漫さんはどのソフトを使っておられたんですか?

 

 

「どのCADを使い始めればいいか」という疑問は建築学科生が一度は通る共通の悩みに違いありません。

解答が長文になったこともあり、こうしてブログにてお返事いたします。

 

 

いうまでもありませんが、CADはあくまで道具に過ぎず、大事なのは「何で書くか」ではなく「どのように書くか」です。

要は道具は使い方次第で個人の努力とセンスによると言う話。

 

ただ、そんな当たり前の話を聞きたくてこの記事を読んでいる人はいないと思うので、本記事では建築学科に入って最初にJwcadを学ぶべき理由独断と偏見で紹介したいと思います。

 

多少なりとも参考になれば幸いです。

 

※追記 現時点での筆者のCAD歴はJwcadをメインウェポンにArchiCADによるBIMを勉強中。また、AutoCADも多少いじったことがある程度。

 

 

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